• 下枝宣史

マスクについて(2)

最終更新: 5月27日

 前回のブログ (マスクについて(1)) で触れましたようにマスクは、自分のための予防には役立ちませんが、自分から他者に病気を移してしまう危険性を下げてくれます。このマスク本来の役割が、新型コロナウイルス感染症 (CoVID-19) の出現によって、一般に広く理解されるようになってきたと思います。咳やくしゃみの症状がなくてもマスクをすることで、お互いを守り、社会を守るという考え方が広まれば、これは良いことですね。

 ただしもしも、マスクをしていない人が逆に誤解され、他者のことを考えない自分勝手な人だと非難されるようになってしまうと、これも困ります。マスクは無料ではありませんし、咳やくしゃみの出ていない人が徒らに装着したところで大した効果があるわけでもありません。やはり昔から言われてきた通り「風邪を引いたら (感染したら) マスクをしましょう」というくらいの寛大さで捉えておくのが良さそうに思います。

 いずれにせよ、マスクは正しく使用しないと、これまた意味を成しません。昨今に見聞きした、マスクの着け方こぼれ話をいくつか、ご紹介していきましょう。

・鼻出しマスク

 眼鏡が曇る、なんとなく息苦しい、などの理由で、マスクの上辺から鼻の穴を出している着け方。ウイルス・細菌・花粉・粉塵、いずれも鼻から吸い込むことでも病原となりますから予防の意味がまったくありません。また他者を守るという意味でも、鼻からの呼気に病原体が含まれている可能性がありますから望ましくありませんね。

・顎掛けマスク

 一時的に口を出して食べたり飲んだりするときなどに、マスクを下顎にたぐり込んでおく着け方。マスクをしていないのと同じ状態になります。また、マスクの内側に付着している自分の咳やくしゃみの飛沫を下顎に擦り広げることになり、さらにマスクを広げ直す際にマスク表面に汚染を広げる可能性もあります。

・そのままマスク

 マスクの立体プリーツ構造を広げずに、畳まれたままの着け方。本来、鼻から口まで大きく覆い込むことで飛沫を広げないことがマスクの役割ですから、畳まれたままでは効果が大きく落ちます。

・洗って再使用

 近年、売られているマスクは、使い捨てを前提に紙と不識布で作られています。医師が手術の際に着けるマスクも、かつては布製の頑丈なマスクを繰り返し滅菌消毒して使っていましたが、使い捨ての方が清潔を保つ効果が高く、総費用も安くなるので様変わりしました。現在の使い捨てマスクは、洗うことで機能を回復できるようには作られていません。アルコールを噴霧しても、完全消毒にはなりません。

・とっておきマスク

 残り少ない貴重なマスクなので、ポケットにしまって明日も利用・・・。気持ちはとてもよくわかります。でも、しまうことでポケットの内部に飛沫が擦り付けられ、マスクの表面も内側も汚染された状態で、翌日にそれを口に当てることになります。やめておいた方が良いでしょう。

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 現在、マスクが手に入りにくいことで、止むを得ず望ましくない使い方をしている場合も多いと思います。仕方のないことにはあまり拘らず、マスクがまた身近にものになる日を待ちましょう。心配のし過ぎは心身を緊張させ続け、リラックスする時間が減らされることで、免疫力の低下につながる恐れもあります。正しい知識を持ち、デマに惑わされず、わからないものはわからないものと良い意味で開き直って笑いながら過ごしましょう。



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